2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730080
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
舩津 浩司 Doshisha University, 法学部, 助教 (80454479)
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Keywords | 民事法学 |
Research Abstract |
研究期間の前半に当たる平成20年度においては、結合企業の親会社株主の保護を中心に研究を進めた。まず、親会社株主保護を取締役の義務と責任において図るというアプローチに関して、本研究代表者が以前に著した学位論文を加筆・修正し公表するという作業を継続するとともに、修正された内容の概要につき、平成20年度日本私法学会(個別報告)にて「グループ経営の義務と責任」のタイトルで報告した。 また、平成20年度日本私法学会シンポジウム「企業結合法制の総合的研究」の準備会メンバーとして参画した。同準備会では、企業結合の「形成・解消」「運営」等の局面において生じる会社法・会計・税法・独禁法上の問題を、親会社・子会社双方の視点から諸外国の法制を研究するとともに、日本法への提言を行うものであり、本研究代表者は、上記準備会における検討に積極的に参画するとともに、自身は、親会社株主が自らの利益保護のためにいかなるアクションをとりうるか、という、(上記私法学会個別報告等よりも)広い視点での親会社株主保護に関する会社法上の方策について、主としてドイツ法の検討を担当した。検討によれば、企業結合に関する体系的立法を有するとされるドイツにあっても、親会社株主保護に関しては、立法によるよりもむしろ解釈論による対応が中心であり、そのようなドイツの在り方は、体系的企業結合立法を有しないわが国の解釈論にも大いに参考になるものであるとの結論を得た。なお、同シンポジウムの成果は書籍(森本滋編著『企業結合法制の総合的研究』(商事法務、2009年))の形でも公表されており、本研究代表者も、準備会での検討をさらに進めたものを同書に寄稿している(拙稿「ドイツの親会社株主保護」前掲書294-312頁)。
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Research Products
(2 results)