2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730081
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名津井 吉裕 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (10340499)
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Keywords | 民法上の組合 / 当事者能力 / 固有必共同訴訟 / 訴訟担当 / 承継執行文 |
Research Abstract |
「非法人団体の当事者能力と当事者能力」に関係する本年度の業績で、すでに公表されたものは「11.研究発表」に掲げた論文である。(1)「民法上の組合の当事者能力」は、非法人団体の類型の一つである民法上の組合の当事者能力に関するリーディングケース(最判昭和37年12月18日)を素材に、民訴法29条の適用基準を検討するとともに、組合を債務者とする強制執行の扱いについて概観したものである。(2)「固有必要的共同訴訟たる相続権不存在確認訴訟と不利益変更禁止」においては、共同相続人間の法律関係は、通説によれば、民法上の組合と同様、特殊な共有(合有)の関係と解されるところ、共同相続人の1人(Y1)につき相続権の存在が疑われる場合において、他の共同相続人の1人(X)が、この者(Y1)と並んでこれら以外の共同相続人(Y2・Y3)を被告として提起した相続権不存在確認訴訟が、当事者全員が当事者となるべき固有必要的共同訴訟となるか否か等を検討した。(3)「当事者能力」(後掲図書の執筆担当部分)では、非法人団体の当事者能力に関する基本的考察を行うと同時に、民訴法29条の理論構成としての「固有適格構成」と「訴訟担当構成」の考えを紹介したほか、非法人団体には登記能力がないために第三者名義で登記された当該団体の財産である不動産に対し、当該団体を債務者とする債務名義に承継執行文の付与を受けて強制執行ができるか否か(代表者名義で登記されている場合はどうか)を検討したものである。その他、年度内には刊行できなかったが、民商法雑誌(有斐閣)において「(論説)法人でない社団の当事者能力における財産的独立性」を掲載する予定である。
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Research Products
(3 results)