2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730083
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
山岡 真治 Tezukayama University, 法政策学部, 准教授 (60351863)
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Keywords | 契約法 / 給付不均衡 / フランス法 / 契約正義 / 連帯主義 / 債権法改正 / 強迫 / 経済的強迫 |
Research Abstract |
本年度は、研究開始初年度ということから、次の2つの研究会において、本研究の問題の所在を報告した。報告テーマは「給付不均衡の解消をめぐる問題の序章的検討-フランス法を手がかりとして-」とし、一つは平成20年5月24日に明治大学で開催された民法判例研究会(平井一雄教授(中京大学)および橋本恭宏教授(中京大学)主宰)において、もう一つは、同年6月20日開催の神戸大学民法判例研究会において、報告を行った。その報告で、研究会の構成メンバーである先生方から多数ご意見を頂戴することができ、検討すべき具体的な問題点など手がかりを得ることができた。特に、本研究の前提となる「契約正義」という思想をもう少し掘り下げて、日本で紹介する必要性があることが分かった。 また、研究成果として、同年6月に、大学紀要である帝塚山法学16号において「フランス債権法改正準備草案における強迫に関する一考察(一)」を公表した。これは、「給付不均衡の解消方法」の手段の一つとして、「強迫」を検討したものである。その素材として、「フランス債権法改正準備草案」を用いた。この草案の強迫規定を紹介したものは、本論文が日本において初めてのものとなる。これは未完であるが、フランス法の最先端の議論を提示したことで、現在日本で議論がなされている「債権法改正」作業において、少なくとも比較法の資料として重要な意義を有するといえる。 同年9月1日から、フランスのナント大学にて、客員研究員として、在外研究を開始した。ここでは、「契約における連帯主義」という点を中心に調べた。この成果の一部をまとめ、大学紀要で公表するための作業を行った。
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Research Products
(1 results)