2009 Fiscal Year Annual Research Report
二大政党制下の少数党と院外運動-無産政党を中心に、1927~31年
Project/Area Number |
20730104
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
村井 良太 Komazawa University, 法学部, 准教授 (70365534)
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Keywords | 政治学 / 近代史 / 二大政党制 / 院外運動 / 無産政党 / 少数党 / 日本 / 吉野作造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、二大政党制下の少数党にとって院外運動(議会への参加を前提とする議会外での運動)がどのような意味を持つのか、1927年から1931年の日本政治を例として、なかでも無産政党を中心に検討することである。 1、少数党について無産政党を中心に関連する文献、史料を補足的に収集し、考察を進めた。2、当該期日本における少数党の政治活動における院外運動の意味を考察するために、知識人、なかでも吉野作造の政治論について引き続き調査を進めた。3、無産政党と競合関係にあり自由主義政党を目指した明政会について、引き続き党指導者の一人鶴見祐輔を中心に考察し、さらに西尾末広や山花秀雄など無産政党の系譜を引く戦後の社会党人脈についても調査した。4、当該期日本における二大政党(政友会と民政党)の対応にも注目し、さらに政治構造・制度、政党外の諸アクターについても補足的に史料を集め、考察した。5、研究のまとまりに応じて大学紀要に一部を発表するとともに、日本政治史研究者の集まる研究会等の場で関連する報告を行い、概念整理等について意見を求めた。 以上を通じて、「理論」的存在としての無産政党の登場が、政党内閣制・男子普通選挙制・二大政党制という1927年の政治システムに適応する二大政党や他の少数党にとっても変化の契機となっていたことが分かった。少数党の院外運動を中心に分析することは当該期日本の政治システム理解に有意義であり、戦後の政党政治再建を考える上でも貴重な手掛かりとなる。また、これらの知見は時期や国を超えたさらなる比較研究への土台としても重要である。
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Research Products
(2 results)