2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Transformation of Democracy in the age of 'Empire'-from the constellation of European thought
Project/Area Number |
20730105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
YAMAZAKI Nozomu Komazawa University, 法学部, 講師 (90459016)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | グローバル化 / 「帝国」 / 格差社会 / テロリズム / 再帰的近代化 / 国民国家 / 民主主義 / ナショナリズム |
Research Abstract |
本年度の研究は、研究の目的の達成のため、「帝国」化を分析する理論枠組みの構築の完成と、「帝国」化に対する民主主義の理論の構築である。 (1)本課題の達成のため、研究協力者の協力を仰ぎつつ、大学・分野横断的に研究者を招集して研究会(政治哲学研究会、デモクラシー研究会)の立ち上げを行う。 (2)「帝国」化の分析については、より具体的には主権・生権力・承認権力の三つの権力の変容について考察を進める。主権については「9,11」対米同時多発テロ以降のグローバルなテロリズムの拡散について、生権力と承認については、リーマンショックに象徴される世界経済危機との関連を踏まえ、福祉国家レジーム論と社会的排除論の先行研究を検討しつつ、考察を深める予定である。 この成果については、学会の研究大会での報告をし、専門分野や異分野の研究者との議論を経た上で、さらなる検討をし、上で同じ問題意識を持つ研究者と共に共著として公刊予定である。 (3)「帝国」化に対応する民主主義の理論の構築についてはD・ミラー、J・ハーバーマス、A・ネグリの政治理論を現代世界の秩序の変容との緊張関係の中から再検討する作業を進めていく。 成果については、既に昨年秋から今年3月にかけて順次公刊中であるが、完成を急ぎたい。それをふまえ、今年中に複数の民主主義論の研究者の論考と共同して本として広く世間に問う予定である。 また特にミラーの議論におけるナショナリズムと福祉国家レジームの関係性の再検討については、日本政治学会においてグループを形成し報告・討論をする予定である。加えて現在、本研究成果の総括ともいうべき「帝国」化と民主主義論の関係をめぐる著作の執筆を進めており、来年度末には公刊を行う。
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Research Products
(2 results)