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2009 Fiscal Year Annual Research Report

スエズ危機をめぐる国際政治過程

Research Project

Project/Area Number 20730114
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

池田 亮  Hitotsubashi University, 大学院・法学研究科, 客員准教授 (60447589)

Keywordsスエズ危機 / 脱植民地化 / 冷戦 / アメリカ:イギリス:フランス / フランス領北アフリカ / アラブ・イスラエル紛争 / ヨーロッパ国際関係史 / 中東国際関係史
Research Abstract

平成21年度は主にアメリカ政府の資料を調査した。具体的には平成21年9月と平成22年2月に、ワシントンDC郊外のアメリカ公文書館(NARA)で資料収集を行った。第一回は主に、アラブ・イスラエル紛争を中心とする中東国際関係を1955年から56年まで扱った資料(Decimal Fileシリーズ)を調査した。第二回は、スエズ危機の主要ファイル(Decimal Fileシリーズ)、アラブ・イスラエル和解に関するアルファ作戦の資料(Lot Fileシリーズ)、および1956年秋に国連でスエズ問題が討議されたときの資料(Lot Fileシリーズ)を調査した。アメリカ政府の認識を分析することにより、従来軽視されてきた英仏間の政策の乖離が明確化できた。
これまでの調査の成果を踏まえ、私は論文発表と研究会での口頭報告を行った。論文は、イギリスが対エジプト戦争を敢行した動機を議論した。従来、イギリスは帝国権益保持に専心したあまり、冷戦上の考慮からアラブ世論を反西側的にしないよう腐心していたアメリカと対立したと議論されてきた。しかしこの論文は、イギリスも冷戦上の考慮から対中東・エジプト政策を遂行しており、イラクなどの親英アラブ諸国による中立選択阻止が目的だったと議論した。「研究の目的」および「研究実施計画」で述べたとおり、私の研究目的は最終的には、イギリス政府の認識を分析することである。本論文は、イギリスのスエズ戦争決定を合理的判断に基づくことを主張するものであり、スエズ戦争を冷戦史一般の広い文脈に位置づけるための一助となると考えている。
口頭報告はスエズ危機自体を扱ったものではなく、フランスの対北アフリカ政策と植民地帝国の変容を扱っている。しかしスエズ戦争の際のフランス政策は主に北アフリカ情勢への考慮に基づいて策定されていたため、このテーマでの研究はスエズ戦争の背景要因を分析する上で不可欠である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] イギリスの対中東政策と対ソ脅威認識, 1955-56-スエズ危機の前史として-2010

    • Author(s)
      池田亮
    • Journal Title

      一橋法学 9卷1号

      Pages: 67-99

  • [Presentation] フランスの対チュニジア・モロッコ脱植民地化政策(1950-1956)-国際的要因とフランス植民地帝国の再編-2009

    • Author(s)
      池田亮
    • Organizer
      帝国史研究会
    • Place of Presentation
      武蔵大学
    • Year and Date
      2009-08-08

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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