2009 Fiscal Year Annual Research Report
多国籍軍をめぐる包括的データセットの構築とその分析:国際法と国際政治の視点から
Project/Area Number |
20730117
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
多湖 淳 Kobe University, 法学研究科, 准教授 (80457035)
|
Keywords | 多国籍軍 / アメリカ / データセット構築 / 国際政治と国際法 / 有志連合 |
Research Abstract |
平成21年度は前年度の成果を受け、多国籍軍の政治学をめぐる論点の再整理とそれを踏まえてのデータセット構築に力を注いだ(なお、再整理を進める作業については単著『武力行使の政治学』をまとめる中で進めた)。このうち、多国籍軍・有志連合の維持と変質を計量的にとらえるデータセット構築をめぐっては、法的な観点からいわゆる集団的自衛権行使の具体的事例について情報を集めて整理することを重視した。こういった多国籍軍をめぐる法的な側面への注目は、諸外国で行われている類似研究との差別化をはかるという意図による(なお、国際学会で本データセットを用いて作成したペーパーを発表するため、目下エントリーを行っている)。他方、同盟制度と多国籍軍とのかかわりでは同盟条約を根拠とする基地・兵力の海外駐留をデータ化するための準備を進めた。こちらについてもすでに類似研究プロジェクトが存在することから、それとの差別化をどのようにはかるのかが課題といえる。また、新しい論点として、外交における有志連合と軍事における有志連合の関係性が補完的なのか代替的なのかをめぐる研究を進める必要性・重要性を見出し、そのための新しいデータセット作成の準備を行った(国連が発行する公式資料を用いることができることがわかり、それを第一段階として入手し、変数のコーディングルールのあり方を検討する段階にある)。来年度は、さらに多国籍軍をめぐるデータセット拡充を、海外の類似研究との差別化をうまくはかりながら進め、成果をまとめることに注力する必要がある。
|
Research Products
(1 results)