2010 Fiscal Year Annual Research Report
多国籍軍をめぐる包括的データセットの構築とその分析:国際法と国際政治の視点から
Project/Area Number |
20730117
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
多湖 淳 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (80457035)
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Keywords | 多国籍軍 / アメリカ / データセット構築 / 国際政治と国際法 / 有志連合 |
Research Abstract |
研究プロジェクトの3年目に当たる平成22年度は、平成21年度までに作り上げたデータセットをもとに複数の実証分析を進め、最終目標である英語による成果発表に向けて準備を主に進めた。この数年で多国籍軍・有志連合をめぐる理論・実証研究が増えてきているため、類似研究との差別化を考えることが前年度同様に課題であった。たとえば、研究代表者が発表した研究を引用した学術論文・書籍・ワーキングペーパーが複数確認でき(例、Lake 2009 ; Thompson 2009 ; Wivel and Oest 2010 ; Ulrich 2010 ; Vucetic 2011)、これらとの関連を明示し、かつうまく違いを出しながら研究成果をまとめることが重要になってきている。特に、2009年に発表したJournal of Peace Research誌の成果を踏まえ、選挙サイクルが有志連合への参加に与える影響を分析し、それをワーキングペーパーの形にまとめた(2011年6月にアイルランド・ダブリンで開催されるEuropean Political Science Association年次大会で発表することが決まっている)。なお、論文を完成させるには事例分析も欠かせず、そのための追加の資料収集が必要になってきていると感じる。他方、国際法と国際政治との有機的な連関を目指すとの目的に沿い、集団的自衛権行使による多国籍軍を取り上げた論文も書き上げ、英語の専門学術雑誌へ投稿した(2011年3月の時点で査読審査中)。国連安保理の情報伝達機能が他国政府だけではなく他国国内のアクター(例、議会)にも影響することが見出された点が学術的貢献として強調できる。次年度の課題は査読を経て論文の掲載を実現することにある。
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Research Products
(2 results)