2010 Fiscal Year Annual Research Report
核時代の国際政治とパグウォッシュ会議における日本の科学者の割合
Project/Area Number |
20730121
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
黒崎 輝 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (00302068)
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Keywords | 国際政治史 |
Research Abstract |
本年度は国内および海外での史料調査と並行して、研究成果の発表の準備を進め、その一部を論文や口頭報告の形で発表した。国内では京都大学基礎物理学研究所所蔵の湯川秀樹文書の予備調査を実施した。湯川秀樹は研究対象の日本の科学者グループの指導的人物であり、同文書は本研究にとって重要な史料となる。現在、公開準備中の史料もあり、継続調査が必要となったが、日本グループの活動を実証的に解明する上で不可欠の史料であることが確認できた。繰り越し期間中には、Center for Scientific Archives(CSA)図書館(ロートン、イギリス)でロートブラット文書の調査を実施した。ロートブラットは研究対象のパグウォッシュ会議に創設当初から深く関与した人物である。同文書は一般公開に向けて整理中であったが、CSAのご厚意で調査が実現し、パグウォッシュ会議と日本グループの関係を実証的に解明する上で有益な史料を収集調査することができた。こうした新たに開拓された史料を利用することにより、本研究はパグウォッシュ会議や日本の科学者運動に関する歴史研究の水準を引き上げることがきるだろう。研究成果を公表するため取り組みとして、本年度は国際政治へのパグウォッシュ会議の関わりを解明するための作業を進め、その一部はアメリカ学会における口頭報告で発表した。また、同報告を基に作成した論文は学会誌に掲載された。これは全面完全軍縮をめぐる米ソ交渉に関する最初の実証研究であり、アメリカ外交史研究や冷戦史研究、軍備管理軍縮研究の進展にも貢献することが期待される。また、次年度以降、研究成果を発表するための準備として論文の作成に取り組んだ。
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