2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本のOECD加盟に関する研究―国際関係史観点から
Project/Area Number |
20730124
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Research Institution | 一般財団法人平和・安全保障研究所 |
Principal Investigator |
鈴木 宏尚 一般財団法人平和・安全保障研究所, 客員研究員 (80415926)
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Keywords | 国際関係史 / 日本外交史 / 国際関係論 |
Research Abstract |
平成23年度は、前年度までに収集した日本のOECD加盟にかかわる国内外の資料の分析を進めるとともに、一部計画を変更し、カナダ国立図書館・公文書館(オタワ)におもむき資料調査を行った。また、研究成果の一部を論文として執筆・公刊することに取り組んだ。 まずカナダでの資料調査では平成20年度の調査の際には閲覧することができなかった1961年の池田勇人首相のカナダ訪問関係の資料を閲覧・収集することができた。カナダのディーフェンベーカー政権は池田首相との会談に備えて、日本のOECD加盟についても検討を行っており、そうした会談準備資料から日本のOECD加盟希望をカナダ側がどのように見ていたのかについていくつか新しい事実を知ることができた。さらにカナダ外務省は1950年代末のOEECのOECDへの再編の際にOEEC/OECD各国が日本のDAG/DAC参加や、OECD発足後の加盟国の拡大をどのように考えていたのかについて詳細な情報収集を行っており、日本がOECD加盟を希望する動きがOEEC/OECD諸国にどのように受け取られていたかについても、カナダの外交資料を通して新しい事実・知見を得ることができた。 また、これまでの研究成果の一部として、OECD加盟への取り組みも含めて1960年代前半の日本の経済外交を再検討した英語論文The Use of Cold War Logic in Japan's "Economic Diplomacy":A Re-examination of Japan and the Pax Americana in the early 1960sを執筆し、Encounters(獨協大学外国語学部交流文化学科紀要)No.3,March 2012に発表した。
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Research Products
(1 results)