2009 Fiscal Year Annual Research Report
スコットランド啓蒙の経済思想の歴史的背景と特質-スミスとヘップバーンを中心に
Project/Area Number |
20730142
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
古家 弘幸 Tokushima Bunri University, 総合政策学部, 講師 (30412406)
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Keywords | 国際研究者交流 / イギリス / スコットランド啓蒙 / トーマス・ヘップバーン / 「パンドラー訴訟」 / オークニー諸島 / 経済思想史 / 西洋史 |
Research Abstract |
1、平成21年5月の日本経済学史学会第73回大会(慶應義塾大学)において、「トーマス・ヘップバーンと18世紀オークニー諸島」との題目で個別研究報告を行った。この報告をもとに、ヘップバーンの著書『オークニー諸島の貧困』(1760年)についての国内外初の研究論文を執筆し、『経済学史研究』へ投稿した。この論文により、『オークニー諸島の貧困』を当時の文脈に位置づけ、本研究の課題である「スコットランド啓蒙の経済思想の歴史的背景と特質」を明らかにする出発点とすることができる。また平成22年3月のThe 14th Annual Conference of the European Society for the History of Economic Thought (The Amsteldam School of Economics, University of Amsterdam)では、Thomas Hepburn and Eighteenth-Century Orcadian Bconomy : the Modcrate Economic Thought of Edinburgh Reconsideredとの題目で個別研究報告を行った。 2、並行して、平成21年7月から9月にエディンバラの大学図書館や国立図書館、文書館へ赴いて収集・分析した多くの資料を活用して、トーマス・ヘップバーンの著書の背景にあった「パンドラー訴訟」についての国内外初の研究論文を完成させ、『西洋史学』へ投稿した。この論文により、スコットランド啓蒙の経済思想の歴史的背景として、1707年のユニオン以降の貿易の拡大に伴って激化していく経済競争をめぐる利害対立と政治的抗争が大きな問題として存在していた点を明らかにすることができる。
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