2009 Fiscal Year Annual Research Report
連続な政策変数を用いたプログラムおよび政策評価の計量時系列分析の理論と応用
Project/Area Number |
20730145
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
荒井 洋一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (50376571)
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Keywords | 政策評価 / ノンパラメトリック / 局所線形回帰 |
Research Abstract |
昨年度の研究においては、政策変数が連続な場合の政策評価の問題を考え、政策評価を表すパラメータがどのような状況において識別されるかを考えた。そしてそのパラメータを局所線形回帰法というよい性質をもつノンパラメトリック法により推定することを提案した。 本年度の研究においては、昨年度において提案された方法がより一般的な問題に対して適用可能となるために推定問題のより深い考察を行った。昨年度において指摘された、ノンパラメトリックな推定問題におけるバンド幅の研究を進めるとともに、より多くの情報を用いた政策評価の方法を検討した。 昨年度において提案された方法では、政策評価のために使用される情報は基本的に「政策が行われた場合と行われなかった場合の結果を表す変数」、「政策変数」、「政策変数に影響を与える操作変数」のみであった。そこで、それらに含まれていなくても政策評価にあたり有用と考えら得る情報を用いてより精密な分析が行えるような方法を提案した。 より具体的に述べると、まず局所線形回帰法を用いる際により多くの変数を含めて、それらの変数に関する条件付きの政策評価を表すパラメータを推定する。そしてその後にそれらの変数の確率分布を用いて、条件なしの政策評価を表すパラメータを求めるという方法である。この条件なしの政策評価を表すパラメータを用いる際にはU統計量の理論を用いた。このU統計量の理論を用いるに際しては、条件付けのために用いた変数の確率密度関数が0に近い場合の問題に対処するためのトリミングの理論も厳密に議論した。
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