2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730155
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齋藤 隆志 Waseda University, 高等研究所, 助教 (60437283)
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Keywords | 人事制度 / インセンティブ / 企業戦略 / 企業統治 / 生産性 |
Research Abstract |
平成21年度は成果主義の導入要因と、導入したことによるパフォーマンスへの影響に着目した研究を進めた。前者の成果としては、RIETIコーポレート・ガバナンス研究会のワークショップにて報告した「何が成果主義賃金制度の導入を決めるのか」(菊谷准教授(京大)、野田教授(大府大)との共同研究)がある。後者については、野田教授との共同研究「成果主義と企業業績」を日本経済学会で報告した。さらに菊谷・野田両先生と、成果主義と補完的な制度の存在に関する実証研究と、成果主義のパフォーマンスを「不満申し出制度の利用」など企業業績だけではなく従業員の「voice」によって測る試みを始めている。以上の分析は浦坂・野田調査(2005)のデータを使用した。 以上のように、2009年度は企業単位の分析が中心となり、個人単位の分析は2010年度以降へ持ち越すこととなった。従業員の働き方に影響を与える企業戦略のあり方については、事業のリストラクチャリングを中心に着任以来分析を進めてきた。その一手段としてMBO(マネジメントバイアウト:経営者による企業または事業の買収)を重視し、川本真哉氏と協力してデータセットを構築してきた。これを用いたMBO実施の決定要因に関する実証分析が2009年冬に海外誌に掲載された("Divestment Management Buy-Outs in Japan: Performance, Governance, and Business Strategies of Seller Firms")。さらに、他の事業リストラクチャリング手段(事業譲渡)との比較分析も行い、現在投稿中である。さらにMBO後の労働条件の変化に注目した研究にもとりかかっている。菊谷准教授との事業の参入・撤退分析も国際ワークショップで報告し、現在得られたコメントを参考に改訂中である。
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Research Products
(4 results)