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2008 Fiscal Year Annual Research Report

政策による競争環境の変化がイノベーションに及ぼす影響のミクロデータ分析

Research Project

Project/Area Number 20730165
Research InstitutionTokyo Keizai University

Principal Investigator

中村 豪  Tokyo Keizai University, 経済学部, 准教授 (60323812)

Keywords共同研究開発 / 製品市場における競争 / 技術情報のスピルオーバー / 研究開発形態の選択 / 医薬品産業
Research Abstract

本年度は、新薬の共同開発に関するプロジェクトレベルのデータを用い、どのようなときに共同開発が選択され、さらにどのようなときにそれが成功するのかを分析した。特に注目した要因は、共同している企業間の相性、すなわち共同企業同士が製品市場でどれだけ競合しているのか、また共同企業間で技術情報をどのように共有できるのかといったものである。
このような企業間の相性を考慮しない場合は、共同開発プロジェクトが成功するか否かを予測すると、ほとんどの場合で誤った予測になるが、企業間の相性を考慮すると、6割強のプロジェクトについて、正しく成否を予測できるようになった。とりわけ重要なのが、共同している企業間での技術情報をどれだけ共有できるかという点と、共同相手を通じて第三者に技術情報が流出するリスクをどれだけ抑えられるかという点である。共同相手との製品市場における競合の度合いも、成否を左右する重要な変数ではあるが、技術情報に関する要因に比べると、その効果は弱いものであった。
さらに、企業規模の効果についてみると、個々のプロジェクトで見ると、大きい企業ほど自社単独開発に依存するが、他方企業規模が大きいと、それだけ多くのプロジェクトを抱えることになるため、少なくとも1つ共同開発プロジェクトに参加する確率は、企業規模と有意に負の相関を持つ。さらに興味深いことに、共同開発プロジェクトの成否に付いてみると、大きい企業が手がけたものの方が成功しやすいという結果が得られた。このような性質は、既存研究のように企業レベルのデータを用いた分析では明らかにできなかった点である。
以上の研究成果をまとめた論文を産業組織論の国際的なジャーナルに投稿しており、現在掲載に向けて審査を受けているところである。

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Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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