2010 Fiscal Year Annual Research Report
金融グローバル化が発展途上国の不平等と貧困に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
20730168
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
KANGKOOK Lee 立命館大学, 経済学部, 教授 (00367989)
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Keywords | 金融グローバル化 / 発展途上国 / 所得分配 / 貧困 / 経済成長 |
Research Abstract |
本研究は、発展途上国における所得分配と貧困に対する金融のグローバル化の影響についてを明らかにする3年間の研究課題である。研究期間の中で3年度目に当たる2010年度は、1年度目と2年度目の研究に続きグローバル化に関するsurvey論文と実証分析の論文を書いた。特に全世界の国々を対象により詳細な実証研究を進める研究結果を発表した。また韓国の金融開放と金融危機の事例を具体的に分析する研究を発展させた。この研究によって、金融のグローバル化が所得分配に及ぼす効果は各国の制度と環境によってお互いに違うが、金融危機と直接投資などの経路を通じて所得不平等を悪化させる可能性があるということを明らかにした。例えば、東アジアの成功的な経済発展モデルである韓国の場合、1990年代の資本自由化によって1997年東アジア金融危機に直面し、これにより所得分配と貧困が大きく悪化した。韓国では危機以後、金融のグローバル化が加速し金融部門は今なお不安定な状況が続いている。これらの研究の進行に基づき、学会発表および学術雑誌への論文発表をおこない、グローバル化と経済成長、所得分配、韓国の金融危機に関する研究発表を行った。特に、2010年にはアメリカの研究機関を訪問して他の研究者たちと共同研究を計画し多くのセミナーに参加した。またトルコと日本などの学会で金融グローバル化と経済危機、所得分配、そして韓国の事例に関する研究成果を活発に発表し、その成果を出版した。
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