2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730175
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 雅代 Kansai University, 経済学部, 准教授 (80295617)
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Keywords | 保健事業 / 地域医療 / 自治体病院 / 地域ニーズ / 道北地域 / 地城中核病院 / 国民健康保険 / 財政 |
Research Abstract |
前年度行った保健事業の実施主体に関する情報収集、および予防関連事業についての調査および分析の精緻化を図り、比較分析を行った。特に、医療・保健を取り巻く環境、国保を含む自治体の財政等について、統計分析をし、関係者と意見交換をすることにより研究の精度を高めた。 具体的には、自治体病院が広大な面積をカバーしつつ地域医療を担う道北地域の中で2次医療圏の枠組みを超えた広い圏域を対象に、前年度に実施したシンポジウムでの議論を整理し、センター病院である名寄市立総合病院や中頓別町国病院などでヒアリングを実施し、当事者らと改めて議論を行った。(病院や行政の担当者との議論が、住民による「中頓別の地域医療を考えるフォーラム」開催につながり、ゲストの1人として住民らとの意見交換もできた。)これらの知見は論文「地域医療を考える-中頓別町にて-」他としてまとめ、生活経済学会他での報告を予定している。当研究の知見を広大な面積を有する中国の医療制度に当てはめた共同研究の成果は国際医療経済学会(北京、2009年7月)で報告した。 重要テーマのうち1年目で取り組めなかった諸外国の予防関連保健事業の実施状況については、来日したタイや中国の研究者らと長時間にわたり情報交換した他、国際医療経済学会で情報収集し、各国の実務家および研究者と積極的に情報を交換した。 効率性格差の是正と社会保障給付の衡平性確保のためには、将来的なた病気の発症を抑える(遅らせる)ための健康管理(予防や是正等)を提供するような保健事業を医療サービスとともに活用していく体制を地域が選択し構築することが、行財政面からも人々の健康面からも現実的で望ましい。継続的な調査の地盤を構築できたので、成果の公表につとめるとともに、健康保障の枠組みについて検討を続ける。
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Research Products
(4 results)