2009 Fiscal Year Annual Research Report
貧困児童の健康と公衆衛生~寄生虫罹患問題の経済学的分析(バングラデッシュの事例)
Project/Area Number |
20730193
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
大村 真樹子 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80397835)
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Keywords | 経済政策 / 公衆衛生 / 経済統計 / 貧困児童 / 寄生虫罹患 / 保健衛生教育 |
Research Abstract |
本研究は、バングラデシュで行われた対寄生虫の投薬・衛生教育プログラムの影響と対費用効果性の分析を行い、さらに新たなフォローアップ・スタディーを行うことにより、これらのプログラムの影響及び対費用効果性を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の研究を行った。 1.データ整理・クリーニング:昨年度収集したデータの整理及びクリーニング、変数化を行った。 2.社会政策評価手法の研修:平成22年度の調査を通じて、新たな評価手法の採用が望ましいと判断されたため、マサチューセッツ工科大学のJPALの研修に参加し、無作為化比較介入(社会実験・RCT)による社会政策評価の手法を習得した。 3.現地フォローアップ及び研究打ち合わせ:収集データの矛盾点の解明するため、バングラデシュで現地調査を再度実施した。またこれまでも協力体制にあった国際NGOのSave the Children(SC)と、新たにRCTによる保健衛生プロジェクト評価の重要性と今後の協力体制を協議した。 4.実証分析:収集データのうち、特にナシルナガール郡で実施された、小学校児童を対象とした保健衛生プロジェクトに関して、実際に子供の健康にプラスの影響が見られたのか、どのような誘因が最も影響していたのか、プロジェクト前後の比較検定と多重回帰推計により分析した。 5.論文・報告書執筆:実証分析の結果をもとに、論文を執筆した。保健衛生プロジェクトは人的資本の観点からも望ましい結果をもたらした可能性があると言えるが、データ制約により明確な因果関係を立証することは難しく、上記のRCT導入が必要と思われることが示唆された。 6.本課題の今後の継続研究のため、SCや他の研究者と協力の元、複数の研究助成に応募をした。
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