2009 Fiscal Year Annual Research Report
司法判断が人々のインセンティブ・メカニズムに与える影響
Project/Area Number |
20730195
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
坂田 圭 Ritsumeikan University, 経済学部, 准教授 (60346137)
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Keywords | 判例インデックス / 離婚 / 同居 / 実証分析 |
Research Abstract |
本研究では質的データである判例を用いてインデックスを作成し、法制度が人々の行動にどのような影響を与えたのかを分析した。この分野での実証分析はまだ発展途上であり、研究意義がある。本研究では特に、離婚行動と若年層の親との同居行動に焦点をあてて分析を行った。 "Social Security and Divorce in Japan"では、生活保護捕捉率が離婚に与える影響について実証分析を実施した。このなかで、離婚訴訟に勝訴する確率を、別居期間、原告性別ダミー、未成熟の子の有無などを説明変数に用いてプロビット分析により求め、予測確率を判例インデックスとして用いた。離婚訴訟勝訴確率は有意に離婚率を上昇することを示した。生活保護捕捉率は離婚に関して負の影響があり、生活保護費が離婚に与える効果を否定できてないという結果を得た。この論文は18th World IMACS Congress and MODSIM09 International Congress on Modelling and Simulationに掲載された。 "Why Do Single people Live with Their Parents?"では、解雇規制が同居に与える影響に関して分析した。解雇規制は、雇用者を保護する反面、若年雇用を圧迫する可能性がある。つまり、若年層の経済的自立を遅らせ、同居率を高める可能性がある。解雇規制の強さを計測するために、地方裁判所の不当解雇訴訟における労働者側勝訴率を用いた。その結果、解雇規制の強さは、同居行動にあまり影響を与えていないことがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Social Security and Divorce in Japan2009
Author(s)
坂田圭・コリン・マッケンジー
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Journal Title
Anderssen, R.S., R.D.Braddock and L.T.H.Newham(eds)18th World IMACS Congress and MODSIM09 International Congress on Modelling and Simulation.Modelling and Simulation Society of Australia and New Zealand and International Association for Mathematics and Computers in Simulation, July 2009
Pages: 1202-1208
Peer Reviewed
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