2008 Fiscal Year Annual Research Report
金融政策が物価に及ぼす影響:日本の品目別消費者物価及び企業物価を用いた実証分析
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20730209
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴本 昌彦 Kobe University, 経済経営研究所, 講師 (80457118)
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Keywords | 金融論 / 金融政策の実証 / マクロ経済学 |
Research Abstract |
1. 金融政策ショックの物価への影響、個別物価ショックの物価への影響、価格の硬直性度合いが違う2つの価格の相対価格への影響、分析手法(FAVARモデル)に関する理論及び実証研究のサーベイ・論点整理を行った。 2. 実証分析手順 (1) Shibamoto(2007 JER)をベンチマークとして、数多くのマクロ変数及び品目別消費者物価指故及び企業物価指数を含めた時系列データセットを構築した。 (2) Shibamoto(2007,JER)をベンチマークとして、FAVARモデルを構築(プログラミング)し、個別物価ショック・マクロショック及び金融政策ショック(コールレートショック)の識別を行った。 (3) (2)で識別された各ショックに対する個別価格の反応を計測。アメリカの実証研究(Boivin et al.(fbrthcoming, AER))と照らし合わせることで、日米比較を行った。 3. 結果の概要 個別物価の分散 : 概ね集計化された物価指数よりも, 大きいものの、マクロ成分の分散は小さい。個別成分の変動の大きい産業はマクロ成分の変動も大きい傾向がある。 個別物価の持統性 : 概ね集計化された物価指数よりも小さいものの、マクロ成分の持続性は大きい。個別成分の持続性とマクロ成分の持続性は相関がほとんどない。 価格の硬直性との関係 : 分散と正の相関を持つ傾向があるものの、持続性とは相関が低い。 金融政策ショックの反応 : (1)FAVARモデルの特定化の下、理論とは整合的なインパルスレスポンスを推計できた。 (2)個別物価の反応の平均と集計化された物価のインパルスレスポンスはほとんど同じ。(3)マクロショックと比べても、反応がかなり遅い。(4)個別物価のインパルスレスポンスに産業ごとの異質性が見られる。(4)長期的に相対価格に差が生じている.
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Research Products
(1 results)