2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730222
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
座主 祥伸 Waseda University, 高等研究所, 助教 (40403216)
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Keywords | 応用経済学 / 経済政策 / 法と経済 |
Research Abstract |
法と経済学の重要なトピックとして「ルール対スタンダード」という法の作成(legal rule-making)に関する分野がある(Ehrich and Posner 1974; Kaplow 1992; Fon and Parisi 2007)。この分野ではま、多くの理論的研究が蓄積されている一方で、実証研究は個別の制度に限られていた。2009年度の研究では、国際取引に関する条約作成機関であるUNIDROITが起草した条約を利用して、法の特定性(specificity)についての実証分析を行った。 「ルール対スタンダード」の先行研究から得られる条約批准に関する含意としては、条約内容がよりスタンダード型(より一般的な記述、特定性の程度が小さい)であれば、各国既存法との対立はま避け易いことから批准数を増やす効果があると予想できる。一方、よりスタンダード型であることは、条約内容をより暖昧にし、条約が本来期待していた効果を得ることができないかもしれない。その結果、スタンダード型の条約は少ない批准数しか得られない可能性も存在する。法の特定性が条約批准与える影響を考察することで、この対立する仮説に答える。 LLSVから導かれる条約批准へのーつの含意として、同じlegal originに属する国は同じ程度のルールをもつ傾向にあるため、同じlegal originに属する国であれば、同じように条約に批准する可能性が考えられる。本研究では、コモンローの国とシビルローの国において、条約批准の条件が異なっていることを発見した。「ルール対スタンダード」とLLSVの議論を国際条約批准に関する分析において結びつけることで両文献に貢献すると思われる。 この研究は、日本法と経済学会全国大会や東京工業大学・北海道大学・早稲田大学で報告した。
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Research Products
(1 results)