2008 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー多消費機器におけるエコイノベーションの創出メカニズムに関する研究
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20730239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 柳蔵 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (60420006)
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Keywords | 環境イノベーション / エネルギー多消費機器 / イノベーション・プロセス / エアコン / 冷蔵庫 |
Research Abstract |
エネルギー多消費機器のルームエアコンおよび冷蔵庫を事例として、エネルギーロス削減技術のイノベーションについてケーススタディーを行った。例えば、エアコンの場合は、エネルギーロス削減技術として挙げられるセンサー、加湿、自動フィルター掃除、気流コントロールの機能を最初に製品化した三菱電機、ダイキン工業、富士通ゼネラル、松下電器の4社を対象として、これらの技術創出プロセスについて、技術開発者を対象に技術創出以前の状況から創出、製品化までの経緯についてヒアリング調査を行った。 冷蔵庫については、松下電器、日立アプライアンスへのヒアリング調査を行った。また、エネルギー消費効率を示すCOPの推移、販売台数の推移とエネルギーロス削減技術との関係について分析した。また、特許庁のIPDLの公開特許広報を用いて、機器技術、機器のエネルギー消費効率向上技術とエネルギーロス削減技術に関連する特許出願数の検索を行い、エネルギー消費効率向上技術とエネルギーロス削減技術の関係、環境規制、ビジネス環境の変化、社会ニーズ、COPと上記特許出願との関係について分析した。Web of Science(トムソンサイエンティフィック社)データベースを用いて、機器技術、機器のエネルギーロス削減技術に関する論文の検索を行った。その結果、エアコン、冷蔵庫については、環境規制の影響を受けて、エネルギー消費効率向上技術に関するイノベーションが限界に達し、エネルギーロス削減技術のイノベーションへ移行したことを裏付けるデータが得られた。
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