2008 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関経営における医療連携マネジメント(コミュニケーションと電子カルテに着目)
Project/Area Number |
20730242
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
冨田 健司 Doshisha University, 商学部, 准教授 (40329149)
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Keywords | 医療経営 / 医療連携 / 職員満足 / リレーションシップ・マーケティング |
Research Abstract |
これまでの医療連携に関する先行研究をレビューすると、その大半は医療従事者によるものが多く、かつ質問票調査による定量的調査が中心であった。つまり、経営学・マーケティングの視点からの研究は極めて少なく、今後は、経営学・マーケティングの視点から、そして定量的調査だけでなく、フィールドワークによる定性的調査も行う必要性が浮き彫りとされた。 経営学・マーケティングの視点から医療連携の問題点を探ると、まず、医療連携が政府の主導で行われていることを指摘できる。つまり、計画の主体者と実際の行動の主体者とが一致していないことが大きな問題となっている。そのため、計画の主体者である厚生労働省と実際の行動の主体者となる地域の中核病院が、目的、現状、目指すべき方向などを共有させることが急務であると分かった。 また、通常、企業経営を考える際には外部の競争相手(あるいはパートナー)との関係だけでなく、同時に顧客や企業内部にも目を向けなければならない。医療連携において、地域の中核病院は周辺の医療機関との関係にのみ注意がいき、肝心な患者のベネフィットへの意識が薄れていることが分かった。さらに、企業内部の資源蓄積にも目を向ける必要がある。医療機関は、職員(医療スタッフ)のサービスの質が問われるため、前提として彼らの満足度向上に努めなければならない。
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Research Products
(6 results)