2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730253
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
西井 進剛 University of Hyogo, 経営学部, 准教授 (60382256)
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Keywords | 経営学 / 国際経営 / 知識集約 / 知識集約型 / 知識集約型企業 / コンサルティング / プロフェッショナル |
Research Abstract |
本研究は、平成20年度から平成22年度までの3ヵ年にわたる研究期間を想定している。平成21年度は、その中間年度に該当し、研究計画に則り、初年度の研究成果において構築した知識集約型ビジネスにおけるグローバルな競争優位性に関する分析フレームワーク(仮説モデル)を活用し、本研究の目的である知識集約型ビジネスのグローバル経営の理論化を進展させるべく実証的考察を試みた。実施した研究内容は、以下の通りである。 第1に、分析フレームワーク(仮説モデル)の内的妥当性の検証である。これまで行ってきた量的調査(2003年度のアンケート調査)・質的調査(20数社に及ぶインタビュー調査)の成果に対して、実際に、分析フレームワーク(仮説モデル)を用いた分析を実施した。その結果、十分な内的妥当性を持つと判断できる分析結果を得ることができた。 第2に、主として質的調査にもとづいた単一事例研究、比較事例研究の実施である。上述の分析結果から、分析フレームワーク(仮説モデル)を用いた分析が有効であると想定し、加えて外的妥当性を担保できるような幾つかの事例研究に着手した。最初に、分析フレームワーク(仮説モデル)から理論的に導出できる複数の戦略類型を提示し、次に、それらの戦略類型と適合性の高い事例を抽出し、各戦略類型の成功要因、ビジネスモデル等に関する考察、インプリケーションの導出を行った。 以上の考察の結果、知識集約型ビジネスのグローバル経営とは、先行研究によって指摘されていたマルチドメスティックな経営モデルによる地域的な集合体に留まるものではなく、グローバルに適用可能な知識を活用することで、多様な形態でのグローバルな競争優位性、グローバル戦略を構築することが可能であることが実証的に示された。
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