2008 Fiscal Year Annual Research Report
オンライン証券業界におけるイノベーションの実証分析:成功要因に関する経時的分析
| Project/Area Number |
20730263
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Science |
|---|
Principal Investigator |
高井 文子 Tokyo University of Science, 経営学部, 講師 (10408693)
|
|---|
| Keywords | 経営学 / 経営戦略論 / 経営組織論 / イノベーション / 証券業界 |
|---|
| Research Abstract |
初年度となる平成20年度は、「日本のオンライン証券業界における成功要因を、市場の黎明期と、成長期から成熟期に入りつつある現段階とで比較しながら、精緻な変数を設定した定量分析によって検証する」作業に充てた。
平成20年度の成果をまとめると、以下の通りである。
まず、参入企業ごとの戦略変数を計測するためのデータ整備を行い、多変量解析を行った。本研究では、説明変数(戦略の代理変数)ならびにサンプル数が相当な数となるため、慎重な分析が必要であったが、丹念な作業により克服した。
次に、日本のオンライン証券業界の黎明期に参入した全企業を対象として、「どのような企業が激しい生存競争を生き残っているのか」という成功要因について、生存時間分析の手法を用いて定量的に分析を行った。
その結果、「先に参入していた企業の方がオンライン証券業界から撤退するリスクが低かった」ということが明らかとなり、先行者の優位性が示された。また、「一般的に顧客に評価される提供商品の多さや手数料の低さといった施策や、頻繁に取引を行い、オンライン証券会社に利益をもたらすようなコア顧客を獲得したりつなぎ止めるのに重要である信用取引などの施策が、生存時間に正の影響を与えること」が示された。なお、これらの成果は、高井(2008)、高井(2009)として報告された。
|
Research Products
(2 results)
