2008 Fiscal Year Annual Research Report
消費者の複数の関連購買意思決定過程におけるブランド知識の役割に関する実証研究
Project/Area Number |
20730283
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂下 玄哲 Keio University, 大学院・経営管理研究科, 准教授 (00384157)
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Keywords | 消費者行動 / 購買意思決定過程 / ブランド連想 / ブランド拡張 / 知覚適合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、消費者が日常的に行う異なる製品カテゴリーにおける複数の購買意思決定が相互に関連しつつ継続的に生起するという点に注目し、そのような購買状況で異なる複数のブランドが購買対象として同時に考慮される過程において、そこで消費者の記憶内に存在するブランド知識がいかなる役割を演じるのかについて理論的、かつ実証的に考察を加えることである。このような目的を受け、本年度は大きく2つの作業を行った。 第一に、主に関連購買や知覚適合、ブランド連想、ブランド拡張などに関する既存研究をレビユーした。その結果、特に、消費者が複数ブランドを関運購買において選択する際、「目的に導かれたカテゴリー」や「理想自己」といった諸概念が、選択行動の強度や方向性の決定において重要な役割を演じる可能性があることがわかつた。 第二に、消費者が日常的に行う関連購買行動にいかなる特徴があるか、同時に、そのような特徴に対して小売店やメーカーなどの企業サイドはどのような対策を講じているかについて明らかにするために、実の店頭に出いての観察調査、および経験調査を行った。その結果、関連購買においては、必ずしも特定のブランド連想だけが大きな役割を演じるのではなく、消費者の個人特性(関与度や知識水準など)や購買状況(店頭の棚状や同伴者との関係性など)からのへも注目する必要があることがわかった。また、店頭の棚における製品の配置については、製品カテゴリー、ブランド、使用状況などによるレイアウトといったさまざまなタイプがあることがわかつた。このようなレイアウトは、消費者の動線や購買意思決定過程(選択に要する時間や情報探索パタンなど)に影響を与える可能性があることがわかった。
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Research Products
(1 results)