2008 Fiscal Year Annual Research Report
流通政策とソーシャルマーケティングにおける取引活動上の消費者保護施策のあり方
Project/Area Number |
20730285
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
丸山 正博 Meiji Gakuin University, 経済学部, 准教授 (70365865)
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Keywords | 商学 / 流通政策 / ソーシャルマーケティング / 消費者政策 |
Research Abstract |
本年度は、取引活動における消費保護施策の問題抽出と分析枠組みの設定、仮説の導出を行った。取引活動における消費者問題は、歴史的には流通活動の活発化とともに増加し、景品表示法や消費者契約法といった法整備による対策がなされてきたが、近年でも問題が鎮静化することなくむしろ、製品の安全性や品質、詐欺的取引、誇大広告による不当な需要喚起など多様化し続発している。 この理由としては企業活動がマーケティングの4つのPに代表されるように、製品・価格・流通チャネル・販売促進と多岐にわたることもある.しかしより根本的な理由は、寡占的企業の存在や不当表示による自由競争の阻害、企業と消費者との情報の非対称性など、消費者取引において効率的資源配分を損なう市場の失敗要因が存在することにある。そして市場の失敗を解消する方向性としては、政府が行う流通政策と、企業や事業者団体が自主的取組みとして行うソーシャルマーケティングとが存在する。そこで、取引活動における消費者保護施策の方向性を分析する上で、総論としては、その施策の実行主体が政府と企業自体のいずれによってなされるべきであるかを考察する。また各論としては、たとえば製品開発・価格設定・流通チャネル・販売促進活動といった企業活動に即して施策のあり方を考察する。 以上の研究過程から、「消費者保護の達成には、政府が策定する流通政策と、企業および事業者団体が行うソーシャルマーケティング活動が不可欠であり、それら両者に保護施策を適切に配分することが有効である」という仮説を設定した。
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