2009 Fiscal Year Annual Research Report
商店街における大型店と零細店の関係についての理論的・実証的研究
Project/Area Number |
20730289
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
横山 斉理 University of Marketing and Distribution Sciences, 商学部, 講師 (70461126)
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Keywords | 地域商業 / 商店街 / 大型店 / 零細店 / 競争 |
Research Abstract |
2年目である平成21年度は、計画書に記載した予定通り、「競争」と「学習」についての理論研究な検討を継続しつつ、フィールドワークを実施した。 「競争」について理論研究から明らかになったことは、小売業を捉えるための競争観は、均衡を想定するような構造的な競争観より、知識獲得などに着目するプロセスとしての競争観のほうが適している、ということである。「学習」については、当事者の個人的なものと想定するよりは、競争当事者間の相互作用の中から生じると想定するほうが適しているということが分かった。 以上の理論研究の成果を踏まえた上で、商業集積における小売商業者同士の競争についてのフィールドワークを実施した。その際に注目したことは、当事者のライバル意識である。というのは、小売業における競争は競争相手の認識が競争行動に重要な影響を与えていることが既存研究において明らかにされているからである。フィールドワークの結果、大型店は立地条件によって競争に関する考え方を柔軟に変化させていることなどが、零細店は優良な大型店との競争が新たな戦略的行動をもたらしていることなどが、それぞれ明らかになった。この成果は論文として発表済みである(横山斉理(2010)「地域小売商業における大型店と中小店の創造的競争」、『マーケティング・ジャーナル』(社団法人日本マーケティング協会)、通巻116号、55-70頁)。 最終年度である平成22年度については、研究計画書に記載したように、理論的検討およびフィールドワークから明らかになったことに基づいて実証研究を行いたいと考えている。そのための準備として、まずは研究会やワークショップでこれまでの研究報告を行い、並行して行政担当者などとの懇談を行う。最終的には、調査結果をまとめ、学会や研究会・ワークショップなどで発表し、政策提案を行う。
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Research Products
(4 results)