2010 Fiscal Year Annual Research Report
広域自治体病院BSCの構築とBSCマネジメントに関する研究
Project/Area Number |
20730297
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山口 直也 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50303110)
|
Keywords | 広域自治体病院 / BSC (Balanced Scorecard) / 戦略マップ / 戦略マネジメント・システム / KPI (Key Performance Indicator) |
Research Abstract |
本年度はまず,平成21年度に取りまとめた論文(「広域自治体病院におけるBSC(Balanced Scorecard)の導入-新潟県立病院のケース-」)を投稿し,雑誌に掲載した。 さらに,カナダ・オンタリオ州における州ヘルスケア・システム横断的なBSCについて,更なる調査研究を行うとともに,米国や英国における病院BSCの特徴についても調査研究を行ってきた。その結果,病院BSCの性質(導入組織の単位(個別病院単位/ヘルスケア・システム単位)や採用するBSCフレームワークの範囲(全面採用/視点枠組みのみの採用))が国家間で異なっており,カナダや英国ではヘルスケア・システムを対象としており,BSCフレームワークのうち視点枠組みのみを採用している傾向があるのに対し,日本や米国では個別病院単位で導入されており,BSCフレームワークが全面的に採用されているという特徴がみられた。そして,このような相違が生じる要因として,国家間における医療制度の相違を取り上げ,日米英加の医療制度の調査分析を進めるとともに,医療制度の違いが,病院の戦略にどのような影響を与え,その結果,病院BSCの性質にどのような影響を与えるか考察を行ってきた。 そして,上記研究結果を踏まえ,国家間の医療制度の相違が病院BSCに与える影響を踏まえて,我が国における広域自治体病院BSCの特徴とその問題点について考察を行い,論文にまとめてきた。本論文については,英語論文として,Japanese Management and International Studies Vol.9, Advanced Management of Servicesという論文集に掲載し,2012年に公表する予定である。
|