2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730298
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
篠田 朝也 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (50378428)
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Keywords | 会計学 / 管理会計 / 投資意思決定 / 資本予算 |
Research Abstract |
本研究は,実証的・経験的分析を通じてわが国における投資意思決定会計上の理論と実務のギャップに関する特徴について明らかにするとともに,それらの検討を踏まえたうえで,投資意思決定会計(資本予算)の管理会計における機能と位置づけを体系化することを目的とするものである。 平成21年度における研究計画は,平成20年度に実施した「わが国の上場企業の投資意思決定に関する実態調査」と題した,東京証券取引所の上場全企業を対象とする質問票調査の結果をもとにして,わが国の投資意思決定会計に関する実務の実態を把握するとともに,その分析的検討を行うことであった。かかる検討作業を通じて,差し当たり,本年度の研究成果として,以下の点を明らかにすることができた。 (1)わが国企業の投資経済性評価においては,回収期間法においても時間価値を考慮したものが利用されているなど,多様なタイプの回収期間法が利用されている。 (2)事業案件のタイプごとに、異なる経済性評価技法が重視されている。具体的には,M&A投資等の長期戦略的投資に対してはDCF系の技法が,情報化投資など短期的回収が求められる投資案件には回収期間法が,より重視されている。 かかる研究成果は,日本原価計算研究学会第35回全国大会(於:一橋大学,2009年9月7日),および,日本会計研究学会北海道部会第76回大会(於:KKRホテル札幌,2009年11月7日)等において報告する機会を得た。これらの報告に基づいた内容は,「わが国企業の投資経済性評価の多様性と柔軟性」(『原価計算研究』日本原価計算研究学会学会誌,第34巻第2号,2010年3月)において,論文として刊行されている。
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Research Products
(3 results)