2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730298
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
篠田 朝也 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (50378428)
|
Keywords | 会計学 / 管理会計 / 投資意思決定 / 資本予算 |
Research Abstract |
本研究は,実証的・経験的分析を通じて,わが国における投資意思決定会計上の理論と実務のギャップについて明らかにするとともに,それらの検討を踏まえたうえで,管理会計における投資意思決定会計(資本予算)の機能と位置づけを体系化することを目的とするものである。 本年度は,すでに実施した「わが国の上場企業の投資意思決定に関する実態調査」と題した,東京証券取引所の上場全企業を対象とする質問票調査のデータをもとに,わが国の投資意思決定会計に関する実務の実態についてさらなる検討を進めた。特に投資決定の技法の利用において先進的なアメリカの先行調査を渉猟したうえで,それらの調査結果と比較して,わが国の投資決定技法の利用にどのような特徴があるのかという点に焦点を当てて検討を行った。かかる検討を通じて,わが国においては,アメリカと比較するとDCF法の利用が少ないが,それでも近年DCF法の利用が増加していること,近年においても変わらず回収期間法が利用されているものの多様な回収期間法のバリエーションがあること,および,投資案件の事業タイプによって利用される評価方法が異なることなどが明らかになった。これらの点について,具体的な定量的データを提示しながら検討を深めた成果を英文論文にて公表している(Capital Budgeting Management Practices in Japan : A Focus on the Use of Capital Budgeting Methods, Economic Journal of Hokkaido University, vol.39)。また,最終年度に向けて,残された課題について調査データのさらなる分析を進めて,論文にまとめる作業に鋭意努めているところである。
|
Research Products
(1 results)