2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト55年体制における政治変動と社会運動の変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
20730325
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 英弘 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 研究員 (20431661)
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Keywords | イベント分析 / 市民社会 / 社会運動 / 市民活動 / 地域政治 / 政治変動 / 政治的機会構造 / ガバナンス |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、社会運動イベントのデータ・ベース作成作業を行った。データの元となる新聞記事の収集については、新たに東京都と愛知県を加え、中日新聞社の新聞記事データ・ベースを用いてオンライン上からの情報収集を行った。これらの大都市を含む都県を含むことで、これまでのデータに加え都市部の実態を把握できるととともに、都市空間の利用状況という都市社会学的課題にも取り組むことができるようになった。現在、コーディングと入力作業を行っており、間もなくデータ・セットが完成する予定である。 また、上記のデータ・ベース作成作業と並行して、様々な社会集団の既存データを用いた分析も行い、日本の市民社会の実態と変化を捉えることを試みた。例えば、利益団体のロビイングと影響力について2時点(10年間)の比較分析を行い、55年体制下にみられた二環構造とよばれる政治構造はいまだに継続しているものの、変容の兆しを見せていることを明らかにした。このほか、新興の市民団体やNPOや既存の地域組織である自治会・町内会についても分析を行い、それぞれの団体の政治参加の現状を確認した。さらに、社会運動に対する人々の評価という点についても分析し、現在の社会運動をとりまく社会状況の解明に取り組んだ。 次年度は最終年度であるが、社会運動イベントのデータ・セットを用いた分析がメインとなる。これに上記の社会集団や運動に対する市民評価についての分析から知見を加味することで、政治変動期における社会運動や市民活動の変容過程を総合的に明らかにする。
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Research Products
(6 results)