2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーション下の対外国人意識-マルチレベル分析による形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
20730326
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田邉 俊介 The University of Tokyo, 社会科学研究所, 准教授 (30451876)
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Keywords | 対外国人意識 / マルチレベル / 接触経験 / 地域特性 / 排外性 |
Research Abstract |
平成21年度は、本研究の目的である日本における対外国人意識の現状とその規定要因の解明のため、日本全国を対象とした郵送調査を実施した。そのためまず昨年度の予備調査を分析し、調査項目の最終調整を行った。(その成果の一部は"An Exploratory Analysis of National Prestige Scores"として公表した) 実査は、まず対象となる市町村区について、外国人居住率が全国平均より高い地域、平均の半分から平均未満の地域、平均の半分未満の地域に層化した上で、各層より6地点ずつを抽出した。続いて抽出した18市区の選挙人名簿閲覧の許可を得て、合計5550サンプルの抽出作業を行った。その抽出5550サンプルに対して郵送で調査票を送付した。またインターネットによる回答も可能とするため、回答用Webサイトを構築した。加えて回収率向上のために、調査開始から2週間後に督促状を送付し、その時点よりインターネットでの回答を可能とした。郵送調査とインターネット回答を併用した結果、合計2632票を回収した。転居や住所不明などの理由で調査票が届かなかった対象を除いて計算した回収率は49.3%で、その数字は郵送調査としては比較的高い結果であった。 続いて回収票の入力とコーディング・クリーニングを行い、分析可能なデータを作成した。研究協力者との研究会を2度開催し、その助力を得つつ、調査対象者向け報告書を作成して希望者に送付し、同内容の報告書をWebサイト(http://www.iss.u-tokyo.ac.jp/tanabe/JICPPS.html)でも公開した。その知見としては、例えば、若年層ほど外国人の増加に賛成であり、さらに外国人との交流経験がある場合にはない場合よりも、外国人の増加に肯定的になる傾向があるなど、基礎分析の段階では先行研究に準じた結果が確認されている。 さらに、平成22年度中に『日本の対外国人意識と政治行動』(仮題)として出版することを目標とし、データの分析と研究論文の執筆を進めている。
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Research Products
(1 results)