2008 Fiscal Year Annual Research Report
「学生運動世代」のライフコースに関する日独比較研究
Project/Area Number |
20730332
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 聡子 Nagoya University, 環境学研究科, 講師 (80431485)
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Keywords | 社会学 |
Research Abstract |
平成20年度は、質問紙調査のための予備調査とライフヒストリーの聞き取りを並行しておこなった。 まず、平成21年度におこなう質問紙調査に向けて質問項目の検討をおこない質問紙の作成を進めた。具体的には、学生運動との関わり方(所属セクトなどを含む)、ライフコース、政治意識の変遷(国会議員選挙の際の投票行動、支持政党の変遷などを含む)、政治活動や社会運動への参加経験の有無・頻度・方法などに関する質問を中心に据え、学生運動への従事経験と政治的社会化過程との関係を明らかにする質問紙を、調査協力者の助言を得ながら、日本語版で作成した。 次に、これらの作業と並行して社会運動従事者を主な対象としたライフヒストリー調査を開始した。特に原子力施設反対運動をはじめとする環境運動の関係者と、国際的な反グローバリズム運動の関係者への聞き取り調査を実施した。前者に関しては運動が展開されている地域および東京などで開催されたシンポジウム会場で、後者に関しては今年7月のG8洞爺湖サミットの際に会場付近で抗議行動をおこなった人々への聞き取り調査をおこなった。20年度に着手したこれらの調査を21年度以降も続けることで、「学生運動世代」、非「学生運動世代」の双方がいかなる政治的社会化過程を経て現在の活動にたどり着いたのか、各人の運動への関わり方(期間・方法など)や運動に対する意味づけの相違はそれぞれライフヒストリーの)どこから影響を受けているのかといったミクロな点と、一連の運動のなかで学生運動世代を含め各世代が果たしてきた役割や世代交代のメカニズムといったマクロな点を明らかにする見込みである。上述した20年度の2点の研究実績は21年度以降調査を本格化させるにあたって意義のあるものとなった。
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