2010 Fiscal Year Annual Research Report
「学生運動世代」のライフコースに関する日独比較研究
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20730332
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 聡子 名古屋大学, 環境学研究科, 専任講師 (80431485)
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Keywords | 社会運動 / 環境社会学 / ライフヒストリー |
Research Abstract |
平成22年4月から9月にかけて調査対象のサンプリングや調査票の作成などの事前準備をおこない、10月から11月にかけて、ハンブルク(ドイツ)において質問紙調査を実施する予定であったが、サンプリングのために使用を予定していた名簿が公開不可とされたため質問紙調査の実施を見直し、名簿を使用しない聞き取り調査をおこなうよう計画を変更した。 調査日程も変更し、平成23年3月から7月にかけて聞き取り調査をおこなうことにしたが、東日本大震災の発生に伴い、調査先の都合により、さらに日程を変更することになり、実際に聞き取り調査をおこなったのは平成23年10月から平成24年3月にかけてであった。このうち、平成24年3月上旬にはドイツに1週間余り滞在しハノーヴァー市およびシュヴァンドルフ市でドイツの原子力施設反対運動関係者に集中的にライフヒストリーの聞き取り調査をおこなった。また、来日したドイツの運動関係者にも同様に聞き取り調査をおこなった。 聞き取り調査の分析からは、ドイツの学生運動世代のなかでも現在も何らかの運動に関わり続ける人々がおこなう自らの活動への意味づけの際に、「学生運動世代」としての特殊ドイツ的な問題意識や世代責任の意識が影響していることがわかった。さらに、学生時代に専攻していた分野によって(大まかに分けて自然科学系か社会科学系か)、その後の環境運動へのかかわり方に相違がみられることが析出された。
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