2010 Fiscal Year Annual Research Report
ひきこもり関連ライフトラブルの包括的プロフィールと地域支援拠点の研究
Project/Area Number |
20730333
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
川北 稔 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30397492)
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Keywords | ひきこもり / 社会学 / 地域支援拠点 / NPO / 精神保健福祉 |
Research Abstract |
「ひきこもり」は青少年をめぐる問題の一カテゴリーであるだけでなく、従来の問題の枠組みに収まりにくい「生きづらさ」に対して、新しい若者理解や支援の枠組み構築の契機をもたらしている。息の長い時間軸の中での問題理解や、多領域的な支援への展開は、関連する「発達障害」や「貧困」の課題に直面するなかでも模索されている。 最終年度においては、発達障害との関連性をテーマとして「ひきこもり」支援団体(家族会)における質問紙調査を行った。「ひきこもり」が主として社会参加の履歴に関する言葉であるのに対し、障害は、具体的な場面での生きづらさに関連した、自己理解や環境調整へと結びつく概念であると考えられる。近年、支援現場で意識されるようになった発達障害について、障害特性の単なる識別ではなく、本人や家族が、「生きづらさ」をさまざまな体験と関連させて振り返ることが可能になる調査設計を目指した。 両親を対象に、高機能自閉症に関する質問紙を用いた結果、友人関係や社交の場面での困難が特に両親によって意識されていること、不登校などの過去の経験と障害特性に関する得点の高さが関連していることが示唆された。また5年前に実施した同じ団体における調査と比較することで、両親による「ひきこもり」の改善の実感に関連する要因として、家族会参加頻度の高さ、本人が現在抱える精神的問題の有無が改めて確認できた。 その他、支援団体でのフィールドワークにおいては、貧困問題を受けた生活保護制度や「パーソナル・サポート」制度の影響、支援団体内部・団体同士の人的ネットワークの再構築についての参加や聞き取りを継続的に行った。
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