2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本の家族構造と親族関係:祖父母による子育て支援と住居の近接性
Project/Area Number |
20730336
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平井 晶子 Kobe University, 人文学研究科, 准教授 (30464259)
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Keywords | 家族構造 / 親族 / 子育て / 現代日本 |
Research Abstract |
「現代日本の家族構造と親族関係」をテーマとする本研究は、3年計画であり、その初年度にあたる本年度は、次年度に行う本調査(子育て期における祖父母との関連に関する定量的調査)のための準備段階であり、インタヴュー調査や文献調査を中心に研究を推進した。 (1)定量的調査のための基礎データを入手することを目的とした個別のインタヴュー調査からは、本調査の調査票作成のための具体的なヒントを得たことが大きかった。それにより具体的な調査対象を選定する基準を得るとともに、調査内容を精緻化することができた。 (2)文献調査では、新たにアメリカの研究に注目し、予想以上の成果を得ることができた。家族社会学の分野では、日本に紹介されるアメリカの研究は家族(親子と夫婦の関係)に焦点をあてたものが多く、(核家族を超えた)親族との関連への注目はなされてこなかった。今回、視野を広げた結果、非同居の親族関係や祖父母と孫の関係など、親子や夫婦を超えた親族関係も重要な研究分野のひとつであることが確認できた。家族構造と親族関係をテーマとする著者にとって示唆的な先行研究が見いだせた意義は大きい。 このように、実証的領域においても、また理論的領域においても、本研究を推進していくための基礎を固めることができた。次年度の本調査への準備が整ったという点で、有意義な初年度であったと総括できる。
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