2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730339
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
朝井 志歩 Tsuru University, 文学部, 非常勤講師 (70405091)
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Keywords | 環境問題 / 市民活動 / 米軍基地 / 基地騒音 / 厚木基地 / 岩国基地 / 原子力空母母港化 / 環境汚染 |
Research Abstract |
本年度の研究は、博士論文で扱った事例である厚木基地と岩国基地での基地騒音問題の追跡調査を中心に行った。厚木基地第4次騒音訴訟の公判の傍聴や、市民活動団体の主催した基地問題に関わるシンポジウムなどへ出席し、参与観察や一次資料の収集によって、博士論文執筆以後から現在までの動向について調べた。また、2009年2月には岩国基地間題に関する聞き取り調査を実施し、岩国市や周防大島町など、岩国基地周辺で空母艦載機移駐問題に取り組む市民活動団体の方々や、市議会議員、前市長など10名への聞き取り調査を行い、一次資料をいただいてきた。 また、本年度の研究では、横須賀基地の原子力空母母港化問題に新たに着手した。文献の入手と購読、一次資料の収集、年表の作成はかなり進んだものの、聞き取り調査を実施するまでには研究が進まなかった。だが、2008年12月に横須賀の市民活動団体が企画した横須賀港の「見学ツアー」に参加し、お話を伺った。また、横浜市など神奈川県内で開催された、基地問題に関わるシンポジウムや集会でも、横須賀基地での市民活動団体の方々から話を伺うことができ、一次資料も入手した。岩国基地の聞き取り調査の研究成果をまとめた後、来年度からは本格的に横須賀基地での原子力空母母港化問題に着手できる見通しである。 なお、岩国基地への艦載機移駐問題に関する論文を執筆し、2008年9月に『社会学評論』に投稿したのだが、査読の結果、掲載不可となった。この論文に2009年2月の実施した岩国基地周辺地域での聞き取り調査の結果を書き加え、修正したものを、2009年5月13日締め切りの『都留文科大学研究紀要』第70集にすでに投稿した。また、2008年9月に学位授与が認められた博士論文を、コピー・製本し、聞き取り調査に協力していただいた厚木基地と岩国基地での関係者に送付し、研究成果の社会的還元に努めた。
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