2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730339
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
朝井 志歩 Tsuru University, 文学部, 非常勤講師 (70405091)
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Keywords | 基地騒音 / 米軍基地 / 厚木基地 / 岩国基地 / 横須賀基地 / 原子力空母母港化 / 市民活動 / 環境問題 |
Research Abstract |
本年度の主な研究成果は、博士論文が『基地騒音 厚木基地騒音問題の解決策と環境的公正』という単行本として法政大学出版局から刊行されたことと、平成20年度の岩国基地での調査の成果をまとめ、論文を執筆したことと、横須賀基地での原子力空母母港化問題に関する聞き取り調査を開始したことである。 単行本の刊行は、法政大学の出版助成金を受けて刊行した。これまで調査に協力いただいた厚木基地と岩国基地の市民活動団体や議員などの関係者に寄贈し、研究成果の社会的還元に努めた。 また、『都留文科大学研究紀要』第70集に「基地騒音対策の問題点-受苦の集中的局地化」という論文を投稿し、査読が通ったため掲載された。博士論文での研究を踏まえた上で、岩国基地周辺で基地に関する4つの訴訟が起こされた経緯や、市民活動の展開などについて記述し、基地騒音という受苦を既存の施設のある受苦圏に集中させ、受苦を局地化していこうとする政策が、基地への反発と政策に対する異議申し立てを生じさせ、地域の紛争化を引き起こしているという、問題の抱える構造的な困難について論文では指摘した。 さらに、2009年9月から横須賀基地での原子力空母母港化問題に取り組んでいる市民活動団体の方々への聞き取り調査を開始し、横須賀基地の淡漢工事差し止め訴訟に関わる弁護士に裁判資料をコピーさせてもらうなどの資料収集も昨年度に引き続き行っている。2010年6月の環境社会学会のセミナーで、横須賀基地の原子力空母母港化問題についての学会発表をする申し込みをしている。 なお、第四次厚木基地騒音訴訟の公判の傍聴を平成20年度に引き続き続けており、基地騒音訴訟での原告、被告双方の主張から基地騒音問題の実態の把握に努めている。
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Research Products
(1 results)