2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730339
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
朝井 志歩 都留文科大学, 文学部, 非常勤講師 (70405091)
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Keywords | 環境問題 / 市民活動 / 米軍基地 / リスク / 厚木基地 / 横須基地 / 原子力空母母港化 / 環境汚染 |
Research Abstract |
本年度の研究は、博士論文で扱った事例である厚木基地での基地騒音問題の追跡調査と、横須賀基地での原子力空母母港化問題を中心に行った。厚木基地第4次騒音訴訟の公判の傍聴や、市民活動団体の主催した基地問題に関わるシンポジウムへの出席などを行い、参与観察や一次資料の収集によって、博士論文執筆以後から現在までの動向について調べた。また、厚木基地騒音問題に取り組む市民活動団体に依頼されて、シンポジウムで基調講演を行い、市民活動団体の記念誌にこれまでの厚木基地騒音問題をめぐる市民活動の歴史についての論文を執筆した。 横須賀基地での原子力空母母港化問題に関する調査では、この問題に取り組んでいる市民活動団体の方々への聞き取り調査を引き続き行い、市民活動団体主催のシンポジウムや学習会、講演会などに参加して参与観察を行い、一次資料に努めた。また、横須賀基地の浚渫工事差し止め訴訟の公判の傍聴も昨年度に引き続き行った。 2010年6月の環境社会学会大会で、横須賀基地の原子力空母母港化問題について、安全やリスクをめぐる関係者の言説の相違をリスク論の観点から考察した学会発表を行った。また、2011年度中に単行本として刊行される予定の「環境問題をめぐる規範理論」というテーマでの編著のうち、一章を担当することになったため、2010年12月に「米軍基地と公共圏-岩国基地の拡張・機能強化から見た意思決定過程-」という論文を執筆した。さらに、『環境社会学研究』第17号に「リスクの矮小化-横須賀原子力空母母港化問題でのリスクをめぐる言説-」という論文を2011年1月に投稿した。また、弘文堂から2011年3月に刊行された『環境社会学』において「基地公害」というコラムを執筆した。2010年5月と9月に「軍事・環境・被害研究会」での研究会を行い、横須賀基地での原子力空母母港化問題について報告した。
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Research Products
(1 results)