2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダム補償と水源地活性化の社会学研究-神奈川県内4ダムの比較調査-
Project/Area Number |
20730341
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
浜本 篤史 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (80457928)
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Keywords | 地域活性化 / 観光 / 水源地 / 生活再建 / 公共事業 |
Research Abstract |
平成22年度は、新たに現地調査を進めた部分はほとんどなく、前年度までに実施したヒアリング調査、資料収集に基づいて分析検討おこない、報告書原稿の執筆を進めた。 その課題とはすなわち、相模ダム、城山ダム、三保ダム、宮ヶ瀬ダムの神奈川県4ダムと地域社会との関係性において、移転補償交渉およびダム建設後の地域活性化のあり方について特に焦点を当て、それぞれの特徴を抽出することである。その際、全国のダム補償および水源地域活性化をめぐるさまざまな施策や取り組みのなかで、同4ダムの位置付けをできるだけ明確にしていこうと、神奈川4ダムだけではなく、全国的動向の検討もおこなった。これらのなかで、神奈川4ダムにおける地域社会への対応策については、日本のダム問題の縮図というもいうべき論点が多く盛り込まれており、特に神奈川県の強いコミットメントにより問題解決を図ろうとしてきた点が大きな特徴であることが把握されるが、22年度はその具体的な経緯を資料により裏付けていくという地道な作業をおこなった。 これらの過程では、NHKのニュース映像やドキュメンタリー番組を視聴する機会に恵まれたことも貴重であった。このほか、東海社会学会シンポジウム、愛知大学でのダム研究会および特別授業など、さまざまな場で他大学の研究者等と議論、意見交換する機会を通じて得た示唆も大きかった。また22年度は、同時進行していた別の研究課題において、御母衣ダム、長島ダム、旧中部ダムなどの事例調査をおこなっていたが、これらの調査活動は本研究課題と重なる研究も多くあり、本研究課題の執筆を進めるにあたり、大変有意義であったことも付記しておきたい。
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