2010 Fiscal Year Annual Research Report
道路建設における公共性と市民参画――東京外かく環状道路の事例から
Project/Area Number |
20730344
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Research Institution | Kanto Gakuen University |
Principal Investigator |
松林 秀樹 関東学園大学, 経済学部, 講師 (20453417)
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Keywords | 都市・地域研究 / 交通開発計画 / 道路建設計画 / 市民参画 / 社会運動 / 受益・受苦 / 公共性 |
Research Abstract |
計画3年目となる2010年度は、研究のとりまとめとして、(1)「交通」を社会学的に考察するための理論的枠組みや方法論の一定程度のまとめ、(2)計画では2年目に実施予定であったが、諸般の事情により行うことができなかった外環道の沿線住民の意向を把握するためのアンケート調査(量的調査)、および(3)アンケート調査(量的調査)の結果を補足するためのさらなる聴き取り調査(質的調査)、の3点を主に行った。このうち(1)については、文献の整備が進み、本研究の理論的枠組みを構成する公共性、市民参加、受益・受苦概念について、多くの先行研究の検討、およびとりまとめを実施することができた。また(2)については、東京都世田谷区・杉並区を対象として計1,000件のアンケートを配布(郵送)し、370通の回答(有効回収率39.0%)を得た。その結果・分析については第83回日本社会学会大会(2010年11月6日)にて報告を行い、フロアから数多くの有益な指摘を得ることができた。なお、調査対象者への還元として、期日は未定だが2011年6月をめどに、対象者向けの現地報告会の実施を予定しており、小山雄一郎氏(玉川大学リベラルアーツ学部助教)の協力も得て、現在、日程の調整中である。また、(3)については、引き続き現在進行形で事態が進んでいることもあり、実際の活動の現場に赴き、インタビュー調査や議論の傍聴などを行って主体の布置連関について整理するとともに、団体が発行した文書資料(チラシやミニコミ紙など)の収集・整理を行うことができた。これらすべてをふまえて、2011年上半期に成果のとりまとめを複数の媒体で発表・公表する予定である。現在のところ、日本都市社会学会の年報、および社会調査協会発行の『社会と調査』へ投稿すべく、原稿の執筆を進めている。
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