2009 Fiscal Year Annual Research Report
観光と政治――戦前期における中国人の「満洲」ツーリズム
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20730348
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
高 媛 Komazawa University, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 講師 (20453566)
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Keywords | 満洲 / 観光 / 空間認識 / 帝国 / 植民地 / モダニティー / 戦争 / メディア |
Research Abstract |
本研究は、戦前期「満洲」において行われた中国人の観光について、歴史社会学的観点から分析しようとするものである。 観光を近代的娯楽であると同時に、国民国家の空間認識を形成させるための装置として両義的に捉える。観光が持つ両義性への着目は、観光を行った中国人の日常生活を浮き彫りにするだけでなく、そこに埋め込まれていた政治性を明らかにすることになる。こうした政治性の解明は、満洲で作動していた権力の実態を浮き彫りにし、満洲社会の新たな側面を提示することになる。 今年度は、満洲時代における中国人向け観光産業および中国人の観光体験を考察するため、引続き、中国語史料の発掘と整理を行った。現在、史料の分析を進めています。 海外でのフィールドワークとして、大連と北京の各図書館などで史料調査を行い、大連理工大学の中国人研究者たちと意見を交わした。 次年度は、収集してきた史料の分析を一層進め、戦前期の中国人向け観光の全容を解明し、論文としてまとめる予定です。
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