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2010 Fiscal Year Annual Research Report

今日の環境被害に係る救済制度のあり方に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20730350
Research InstitutionTokyo Keizai University

Principal Investigator

尾崎 寛直  東京経済大学, 経済学部, 准教授 (20385131)

Keywords医療費助成制度 / 救済制度効果 / 大気汚染健康被害 / 呼吸器疾患
Research Abstract

今年度は本助成の最終年度にあたる。そのため当初の研究実施計画通り,追加的な調査を実施する他は,これまで収集してきた情報や調査で得られた結果を分析し,アウトプットとして公表することに専念してきた。2010年3月に,東京都の大気汚染障害者に係るぜん息医療費助成制度の「政策効果」を分析する調査をまとめた中間報告書を出したが,それをもとに医療系の業界新聞にエッセンスを発表して以来,関係の医療機関からの講演の依頼が数件入り,今年度初めはその準備に追われた。
そうした中で,6月には日本環境学会において調査結果をもとにした発表を行い,関連した論文を医療団体の雑誌(7月),一般商業雑誌(10月)にて各1本公表した。最終的な調査のまとめとして,調査結果と調査協力者らの論文も含め,東京経済大学学術研究センターのワーキング・ペーパーを2011年3月に発表する予定である(総65頁予定)。
また,東京以外の事例として,大気汚染被害救済の先駆的な取り組みをしてきた大阪・西淀川地域の調査をこれまで続けてきたが,その成果として,4月に反公害運動から「環境再生」を掲げたまちづくりへと運動が発展した内容をまとめた共著論文,地域医療を担う医師らが救済制度づくりにどのような影響を与えたかをまとめた2本の論文を10月と2011年3月(近刊)に発表した。
大気汚染以外の事例としては,水俣病の救済制度の研究を続けてきたが,その成果を2月に共同研究者と共著で発表した。これに関連して,大気汚染や水俣病,その他の被害者救済制度を,横断的に比較・検討する取り組みが今後求められるとして,法学者や環境経済学者らによる座談会に参加してその問題意識と現状認識を発言し,発表している。
以上のようなことから,さしあたりは当初予定した研究実施計画に沿った研究の遂行と,その実績の公表の責任は果たせたのではないかと考えている。今後,これらの公表成果について関係者や当事者らから批評・批判を頂き,研究内容の深化をめざさなければならない。

  • Research Products

    (11 results)

All 2011 2010

All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] [座談会]社会的災害の被害補償・救済と国の責任を考える2011

    • Author(s)
      淡路剛久・礒野弥生・大久保規子・尾崎寛直・宮本憲一・除本理史
    • Journal Title

      環境と公害(岩波書店,1月)

      Volume: 40巻3号 Pages: 63-70

  • [Journal Article] 水俣病特別措置法と環境・福祉対策の課題--水俣市および水俣・芦北地域の再生・振興の観点から-2011

    • Author(s)
      除本理史・尾崎寛直
    • Journal Title

      東京経大学会誌(東京経済大学,2月)

      Volume: 269号 Pages: 165-192

  • [Journal Article] 大気汚染公害地域と医師会--西淀川公害と四日市公害から見る『地域医』の意義2011

    • Author(s)
      尾崎寛直
    • Journal Title

      『地域における公害経験の社会的活用に関する比較研究2009-2011年度科学研究費補助金研究成果中間報告書』(課題番号・21530559,代表・藤川賢),3月

      Pages: 39-53

  • [Journal Article] 調査の概要と結果の分析--救済制度のもたらす心理面での『好循環』2011

    • Author(s)
      尾崎寛直
    • Journal Title

      尾崎寛直・除本理史・堀畑まなみ・傅哲『新たな大気汚染「未認定」患者の救済制度創設に向けた調査研究報告書--東京都医療費助成条例の政策効果を中心に』,東京経済大学学術研究センター ワーキング・ペーパー・シリーズ,3月

      Volume: 2010-E-02 Pages: 9-22

  • [Journal Article] 『環境再生のまちづくり』の理論と運動--大阪・西淀川という『場』を介した両者の相互規定的な展開について2010

    • Author(s)
      除本理史・入江智恵子・尾崎寛直・林美帆
    • Journal Title

      環境と公害(岩波書店,4月(投稿論文))

      Volume: 39巻4号 Pages: 64-70

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 患者の生活の『負の連鎖』から『好循環』へ--東京都大気汚染医療費助成条例の政策効果2010

    • Author(s)
      尾崎寛直
    • Journal Title

      『月刊・保団連』全国保険医団体連合会,7月

      Volume: NO.1038 Pages: 44-47

  • [Journal Article] 大気汚染『未認定』患者の救済制度の検証--東京都医療費助成条例の政策効果調査から2010

    • Author(s)
      尾崎寛直・堀畑まなみ・除本理史・傅哲
    • Journal Title

      環境と公害(岩波書店,10月)

      Volume: 40巻2号 Pages: 64-69

  • [Journal Article] 地域医療と環境問題--大阪・西淀川公害と医師会2010

    • Author(s)
      尾崎寛直
    • Journal Title

      除本理史・尾崎寛直・入江智恵子・林美帆『西淀川公害と「環境再生のまちづくり」』,東京経済大学学術研究センター ワーキング・ペーパー・シリーズ,10月

      Volume: 2010-E-01 Pages: 12-25

  • [Presentation] 大気汚染『未認定』患者の救済制度の検証--東京都医療費助成条例の政策効果調査から2010

    • Author(s)
      尾崎寛直
    • Organizer
      第35回全日本民医連呼吸器疾患研究会記念講演会
    • Place of Presentation
      アミュー立川(東京都立川市市民会館)
    • Year and Date
      2010-11-12
  • [Presentation] 東京における新たな大気汚染被害者救済制度創設の検証2010

    • Author(s)
      尾崎寛直
    • Organizer
      日本環境学会 2010年大会
    • Place of Presentation
      横浜国立大学
    • Year and Date
      2010-06-20
  • [Book] 環境総合年表-日本と世界-2010

    • Author(s)
      環境総合年表編集委員会編(代表・舩橋晴俊)※尾崎分担執筆
    • Total Pages
      805
    • Publisher
      すいれん舎

URL: 

Published: 2012-07-19  

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