2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会運動・組織の時系列分析によるボトムアップ型市民社会論の検討
Project/Area Number |
20730353
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西城戸 誠 Hosei University, 人間環境学部, 准教授 (00333584)
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Keywords | イベントデータ / 運動組織 / 時系列データ / 市民社会 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1990年代後半以降の社会運動や社会運動組織の変容を、イベントデータおよび運動組織の時系列データを構築、計量的に把握し、市民社会の様態の変化を人々の「集い」の形態と組織化というボトムアップからの視点から検討することである。本年度の作業成果は、第一に、1996年から2005年までの社会運動の抗議イベントデータに対して、アフターコーディングを行い、データセットを完成させたことである。予備的な分析は実施しているが、すでに終了している1945年から95年の日本の抗議イベントデータとマージした上で、1996年以降の動向に関する具体的な研究成果は次年度以降に実施することになる。第二に、社会運動組織の変容に関する時系列データの構築については、データソースである「環境NGO総覧」が年次によって収録データに差があるという問題点を明らかにした上で、その問題点を踏まえながら、日本の環境運動組織に関する組織特性を示した包括的なデータセットを構築するべく、最新版の環境NGO総覧(平成20年度版)に掲載されている、4532件のデータを構築した。このデータを用いて、日本の環境運動組織の現状を包括的に把握するための初期的な分析を実施した。次年度は、環境NGO総覧の各年度をデータ源とし、地点を限定した上で環境運動組織の時系列データを構築することで、E.W.Johnsonらと共同で行った分析(2009)の再検討を。さらに上記のように、本年度完成した社会運動のイベントデータによる時系列分析によって、両者のデータセットから市民社会の様態の変化に関する知見を見いだしていきたい。
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