2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会運動・組織の時系列分析によるボトムアップ型市民社会論の検討
Project/Area Number |
20730353
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西城戸 誠 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (00333584)
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Keywords | イベント分析 / 社会運動 / 時系列分析 / 市民社会論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、抗議イベントデータと環境団体を中心とした運動組織の時系列データという2つのデータセットを構築し、そのデータによって時系列分析を行うことによって、戦後日本の社会運動や社会運動組織の変容を明らかにすることである。抗議イベントデータは新聞記事からあらゆる抗議を抽出し、多様な抗議の形を量的に把握する。環境運動組織のデータは、『NGO総覧』に掲載されている団体データを時系列的に整理し、組織の変容を捉える。このような方法によって市民社会の様態の変化を人々の「集い」の形態と組織化というボトムアップからの視点から検討する。 研究成果としては、戦後日本の社会運動全体および環境運動の動態を、労働運動との比較や、国際比較(西ドイツ)を行うことによって、「新しい社会運動論」や「社会運動社会」仮説に関して、理論的、実証的な検討を行った。また、反グローバリズムの運動とそれに対する一般市民の対応の分析から、市民社会論に対して実証的な知見を提供した。これらは英語での論文を刊行した。さらに、環境運動組織の把握に関する理論的考察も行った。 1990年代後半からの抗議活動の動態や、環境運動組織の分析については、まだ公表段階にまで至っていないが、近日中に刊行することにし、市民社会論に対して実証的な知見を提供することで、本研究に一定の区切りをつけることにしたい。
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