2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア諸国における柔軟な労働市場の研究――福祉レジームの多様性をふまえて
Project/Area Number |
20730354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上村 泰裕 Nagoya University, 環境学研究科, 准教授 (70334266)
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Keywords | 社会学 / 福祉 / 労働 / 社会政策 / 国際比較 |
Research Abstract |
韓国と台湾の労働統計を男女別・年齢層別に比較可能なデータとして整理し、労働市場構造の特性の違いについて日本と比較しつつ検診した。特に若年層について述べれば、日韓台で次のような違いがあるという仮説をまとめた。(1)日本では、新規学卒就職システムがそれなりに機能しているが、長期雇用慣行の存在は正社員と非正社員の格差をみ、とりわけジェンダー不平等につながっている。(2)韓国では、急激な脱工業化と非正規雇用の増大が、高学歴化とニート化の両極分解をもたらしている。(3)台湾では、脱工業化の進展が緩やかであることと、おそらく正規労働市場の柔軟性も背景として、ジェンダー問題を含む若者問題の解決が3か国のなかで最も容易である。今後は社会意識調査の二次分析や政策文書の分析、現地における政策担当者への聞き取り調査などを組み込みながら、以上の仮説が妥当性をもつかどうか明らかにしていきたい。
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