2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア諸国における柔軟な労働市場の研究――福祉レジームの多様性をふまえて
Project/Area Number |
20730354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上村 泰裕 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70334266)
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Keywords | 社会学 / 福祉 / 労働 / 社会政策 / 国際比較 |
Research Abstract |
東アジア諸国の失業保険制度の意義を解明するための理論枠組みを構築する目的で、カール・ポランニや大河内一男の古典的理論、近年のVodopivecやILO関連の論者の議論などを参照しつつ整理した。その過程で、当該国のインフォーマル経済の大きさや性格が失業の意味を考えるうえで重要になることが改めて浮かび上がってきた。自営業者と家族従業者を足した割合(インフォーマル経済の代理指標)は、日本やシンガポールなどでは1割前後であるが、韓国・台湾では2割、タイでは5割、ベトナムでは8割近くを占める。こうした状況をふまえると、インフォーマル経済とフォーマル経済の関連や、農村と都市の労働市場の関連を考察することが重要だと思われる。そうした観点から中国の農民工の問題に注目し、深センと上海で農民工や職業紹介業者に聞き取りを行なうとともに、現地の研究者と情報交換し、文献資料の収集を行なった。このほか、今年度はタイ・インドネシア・フィリピンの福祉国家と労働市場に関する統計データの収集と分析に努めた。
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Research Products
(5 results)