2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730360
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山口 誠 Kansai University, 社会学部, 准教授 (80351493)
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Keywords | ガイドブック / ミクロネシア / 観光行動 / 擬似イベント / リアリティ |
Research Abstract |
本研究は、D.ブーアスティンが提起した擬似イベント論を再考察し、その可能性と限界を明らかにし、メディア時代の集合的リアリティの生成プロセスを観光行動とメディアの相互関係において実証的に分析することを目的とする。 本研究では、米領グアムを中心とするミクロネシア地域に着目し、同地域における日本人の観光行動の歴史と観光ガイドブックの変遷を分析している。申請2年目にあたる本年では、昨年度より着手していたガイドブックの事例研究のうち、1980年代から今日まで日本人の観光において重要な役割を果たしてきた「地球の歩き方」の制作過程とその誌面内容について、同メディアの制作者への聞き取り調査とその内容分析をおこない、『「地球の歩き方」の歩き方』(新潮社、2009年11月、共著)として成果を公刊することに注力した。 またグアム大学ミクロネシア地域研究センターが所蔵する各種資料を閲覧・複写するとともに、グアムにおける日本人向け観光の開発に携わった関係者への聞き取り調査(合計12人)を実施した。この聞き取り調査において、第二次世界大戦における日本のグアム占領と統治に関する記憶が、戦後の観光開発において重要な争点となっていた状況が明らかになり、とくに同島に住む日系チャモロ人家族の歴史に関する新しい知見を得ることができた。後者の家族への聞き取り調査については、今後も継続して取り組む予定である。
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Research Products
(3 results)