2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730360
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山口 誠 関西大学, 社会学部, 准教授 (80351493)
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Keywords | ガイドブック / ミクロネシア / 観光行動 / 疑似イベント / リアリティ |
Research Abstract |
本研究は、D.ブーアスティンが提起した擬似イベント論を再考察し、その分析枠組みとしての可能性と限界を明らかにし、メディア時代の集合的リアリティの生成プロセスを観光行動とメディアの相互関係において、実証的に分析することを目的とした。 本研究では、米領グアムを中心とするミクロネシア地域に着目し、同地域における日本人の観光行動の歴史と観光ガイドブックの変遷を分析してきた。申請3年目(および最終年度)にあたる本年度では、これまで継続して着手してきた戦後日本のガイドブックを対象とする事例分析から得られた成果を単著『ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史』(筑摩書房、2010年)などで公刊するとともに、日本マス・コミュニケーション学会(2010年10月)や日本観光研究学会(同12月)などで研究発表を行い、関連する領域の研究者との意見交流に努めた。 なお、本年度に取り組んだ資料分析から措定した日本型マス・ツーリズム(スケルトン・ツアーとカタログ型ガイドブックの連動によって生成した、現代日本に特殊な観光行動)という分析枠組みを検証するため、グアム大学、グアム政府図書館、ハワイ大学、およびハワイ日系センター資料室などが保存する資料を収集し、検証作業を進めるに至った。昨年度(申請2年目)より取り組んでいる日系人の日本人向け観光の開発に関わる歴史検証は、上記の検証作業の中核となり、今後の研究活動において重要なテーマを明確化することができた。
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Research Products
(4 results)