2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730366
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
甲田 菜穂子 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (90368415)
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Keywords | 盲導犬 / 視覚障害者福祉 / 歩行 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究では、視覚障害者福祉の向上に資する盲導犬の実態とその改良に関する3つの質問紙調査を実施した。(1)盲導犬使用者を対象とした盲導犬の使用実態とその改良について、(2)盲導犬を使用していない視覚障害者を対象とした盲導犬に対する意識について、(3)盲導犬使用者団体を対象とした活動実態についてである。(1)の調査では、盲導犬使用者は、盲導犬を有効活用して社会参加をしており、盲導犬との心理的交流も維持していた。盲導犬の行動に関しては、盲導犬協会が育成段階で評価した以上に、使用者は自分の盲導犬を高く評価していた。ただし、盲導犬の歩行誘導中の集中力に関しては、使用者と協会の回答から共に改良の余地が窺えた。また使用者は、協会のフォローアップの充実や、特定の場所への誘導や落ちた物を拾うといった新たな盲導犬の作業も求めていた。さらに、法的に盲導犬同伴利用が保障されている場所での盲導犬の受け入れ拒否が未だ残っていることが、盲導犬使用時の問題として浮き彫りになった。(2)の調査は、盲導犬を有効利用できる使用者を増やすために必要な対策を明らかにするためのものであり、盲導犬を使用していない視覚障害者に生活実態、盲導犬に関する知識と盲導犬使用の利点と欠点についての予測を尋ねな。(3)の調査は、盲導犬使用者団体が快適な盲導犬歩行のために行なっている活動内容とその広がりについて尋ねた。(2)と(3)の調査に関しては、データ収集と整理を終えた段階であり、今後、回答の詳細な内容分析を行っていく。
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